ダルビッシュ投手の脚のつり

少し前の話になりますが、8月26日の朝日新聞デジタルに『ダルビッシュ投手が試合中に両脚がつるアクシデントに見舞われた』、という記事がありました。
記事によると、その原因として本人曰く「完全に僕の栄養面のミス」と打ち明けたとのことです。

その記事は下記のようなものでした。

>ダルビッシュの場合、登板前夜は8~9時間程度の睡眠を取るというが、
>この日は長めの>11時間だったという。いつもより長い時間眠った分だけ、
>食事量を増やしてタンパク質を多く補給するべきだったが、タンパク質の摂取が
>足りなかったという。
>その”仕組み”はこうだ。睡眠中、人間の体は水分補給や栄養摂取ができないため、
>脱水症状や栄養が足りない状態となる。
>そこでカギとなるのが、起床後の十分な水分や栄養の補給。栄養が不足したままだと、
>体は筋細胞を分解して必要な栄養を補おうとするため、筋収縮(つった状>態)が
>起こりやすくなるという。
>栄養やトレーニングについて豊富な知識を持つダルビッ>シュも、今回ばかりは
>『水分量は問題なかったけど、食事量が少なく、タンパク質が足りなかった結果です』と
>”初めて”のミスを猛省。
>故障につながる可能性もあるだけに、今>後はさらに細心の注意を払っていくつもりだ。

この話ですが、一般の方にはあまり当てはまらないかも知れません。

ダルビッシュのコメントでは、かなりタンパク質の摂取量を気にしていますが、通常ではまず体内の糖分が使われ(脂肪も使われるが比率的に糖分が多い)、それで間に合わなくなると、貯蔵している脂肪が使われます。
アスリートのようにかなりハードな運動で体を酷使する場合、元来内臓脂肪はおろか皮下脂肪の蓄積も少ないわけですから、筋肉などにあるタンパク質がエネルギー源として利用されます。
そうするとタンパク質が分解されることにより、電解質などのアンバランスが生じやすいといえます。
一般人では通常たっぷりと脂肪の蓄積があるので、よほどのことがない限り、タンパク質はエネルギー源としては使われません。

では、いわゆる「脚がつる」とはどういう現象なのでしょうか。
少し説明してまいりたいと思います。
これは「こむら返り」ともいわれ、下肢、特にふくらはぎの筋肉が連続的に固く収縮して強い痛みを伴うものです。
夜間に起こりやすく、繰り返す人では睡眠不足の原因になることもしばしばです。
強めの運動の後などに起こりやすく、高齢になるに従って頻度が増えるとも言われています。

ダルビッシュの場合、筋肉へのタンパク質供給不足を指摘していますが、アスリートでない通常の人では、電解質、特にカルシウム、マグネシウムの異常、ビタミン不足が主な原因とされています。

予防としてはカルシウム、マグネシウムの補給、ビタミンB1、B6などの補給が重要です。
日本人の場合、日常的にカルシウム摂取が不足しているのはご存じですか?
ですから、カルシウムの多い食材は積極的に日々の食事に取り入れたいものです。
またカルシウムの吸収にはビタミンDも欠かせないので、こちらもしっかり補給しましょう。

メタボヘルプに「カルシウム講座」がありますので、気になった方はぜひご覧ください。
レシピも参考になるかと思います。

体がよろこぶ!カルシウム講座
http://www.metabo-help.com/0031.html

新聞やインターネットに載る情報は、アスリートや芸能人など一般的ではない生活をしている人々の健康法が掲載される例が多く、これを真に受けていると、自分自身には合っていない健康法を実践してしまうことになりかねませんので、その点は十分注意していきましょう。