日常生活における『カロリー(kcal)』を読み解く

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普段の食生活において、また運動をする際に『カロリー』の数値を気にしますか?

答えは「Yes」、「No」のどちらを選択されるでしょうか?

そして、その答えは、どんな情報を元に出した答えでしょうか?

食事のカロリーや運動のカロリーは、栄養士さんの栄養指導などでよく使われている単位ですが、
それにまつわる話をひとつしてみましょう。

ヒトが生活していく上で食事はもちろん不可欠ですが、食事量を測る単位として『カロリー』が使われます。

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よく摂取カロリーが消費カロリーを上回ると肥るとか、痩せるためには摂取カロリーを減らして消費カロリーを増やせばよいといわれ、我々は当たり前のようにこれを信じています。

ところが、この点に関連して研究論文は数多く出ていますが、実は医学的にきちんと証明されたデータは無いのはご存知でしょうか?

では、この話がどこから来ているのか調べてみると、結局は熱力学の第1法則「エネルギー不滅の法則」からではないかということでした。

よく考えてみれば食物のもつ『カロリー』は食べる前の熱量であって、体の中に入って消化吸収、代謝を受ける過程でそのままの熱量がすべて体で使われるエネルギーになるはずがありません。

またもう一方の運動量も『カロリー』で表現されますが、人体が使う運動エネルギーをカロリーに置き換えるためにさまざまな仮定をおいた計算方法で基準値が算出され、通常使われているのは運動の種類毎の基準値にその人の体重とか強さのレベルなどをかけ算して計算されたものです。

したがって、よく厚生労働省の指針などに『カロリー』の話が出てきますが、実はかなり大雑把な数字であって、それを如何に細かく計算しても個人にあてはまる数字であるかどうかはわからないということになります。

そんなわけで、一般によくいわれている摂取カロリーより消費カロリーが多ければ痩せられるというのは基準となるカロリー値がそれほど信頼のおける数字ではないので、単にカロリーの足し算、引き算で体重管理ができるほど甘くはないということです。

もっとも毎日満腹になるほど食べて、「私全然痩せない」というのはカロリー以前の問題ではありますが・・・。

以上『カロリー』を気にするみなさんはもちろん健康意識やダイエット意識が高いことを表しているのでたいへんよいことだと思いますが、こんな落とし穴もありますので気をつけましょう、というお話しでした。

正しい情報をつかまえ、皆さんの生活に反映させていただけるよう、ニュートリマイスター協会は今後も有意義な情報を発信してまいります。