インフルエンザにかかっってしまったら(町田市の院内感染について思うこと)

東京都町田市の病院でインフルエンザに計112人が集団感染し、
女性患者3人が死亡しました。
東京都がインフルエンザの症状が見られる
病院関係者ら計24人を調査した結果、
患者21人のうち11人が「インフルエンザA香港型」というウイルスのタイプに
感染していたとのことです。

インフルエンザの型については以前のブログで解説しましたので、
お分かりかと思いますが、香港型はA型のH3N2の亜型で、
今年主に流行している型です。

最近抗インフルエンザウイルス薬タミフルの耐性を持っている
ソ連型(H1N1の亜型)がかなり広まっていることが話題になっておりますが、
こちらの病院で感染したのはタミフルの効くタイプだったようです。

ほぼ全員インフルエンザワクチンは接種していたにもかかわらず
3名が死亡したということは、インフルエンザ感染力の強さを物語っています。

これも以前のブログにも書きましたが、
現在のインフルエンザワクチンは感染を未然に防げるほどの
強い免疫力を誘導する力はなく、
感染後の重症化を防ぐことがせいぜいです。

その上、高齢者では免疫力そのものが低下しているので、
ワクチンによる抗体産生を十分誘導できないばかりか、
感染後にウイルスと戦う力も弱いということになり、

どうしても重症化が避けられないことになりますので、手洗い、うがい、
感染した人に近づかないといった予防が
如何に大事かということもこの事件は示しています。

今回誰が感染源になったのかがもうひとつの話題になっていて、
医療関係者(特に病院職員)だということになっております。
会社でもそうですが、インフルエンザにかかっても、
無理して出社してくる人がおりますが、
あれは本当に止めたほうが良いと思います。

がんばっているところを見せたいのか、
仕事に穴が開くのを恐れるあまりかわかりませんが、
自分も重症化するばかりか他の人へ感染させるという迷惑行為になりますので、
インフルエンザにかかったらあきらめて3日間
家で閉じこもって寝ている、これを心がけていただきたいと思います。

また他の社員も明日はわが身と、
インフルエンザにかかった社員を無理に来させることなく、
安心して休めるようにしっかりとしたバックアップ体制を
作り上げておくことが重要です。

香港型やソ連型のインフルエンザ程度でしたらまだ良いですが、
今流行が懸念されている新型インフルエンザが
パンデミック(広範囲に流行すること)になったときには、
家から出ることすら政府により禁止されますので、
今のうちから社内体制を作り上げておくことが重要だと思います。