特売食材に飛びつく脳のしくみ

毎月の食材費にみなさんはどれくらいかけているでしょうか。
世の中不景気の真最中で、まず減らされるのが食材費、食費でしょう。

今回は、『無意識に特売の食材に飛びついてしまう』ことについてのお話です。

例えば、スーパーで見かける下の2つのうち、どちらを選びますか?

・一袋5本入りのキュウリ100円(残りわずか3袋)

・かたや1本100円の有機栽培のキュウリ

次に、健康に気を遣って肉売り場に行ったら、2つの商品がありました。さあ、どうしますか。
手持ち予算が1000円だとしたら、どちらを選択するでしょう?

・有機野菜で育てた豚肉

・輸入牛肉が本日限りの特売(信じられないくらいの量と値段)

家計や食事をまかなう主婦のみなさんはこんな選択の毎日ではないでしょうか。
一家全体の食事をまかなうために、ともかく量を確保する方に、ついつい選択肢がいってませんか?

当然、食品は買ってしまったからにはある一定期間で消費する必要がありますから、体が必要とする以上に食べてしまうかもしれません。

でも、健康のことを優先して考えるならば、顔の見える生産者が作った、栄養価の高いものを食べたいところですね。

健康を害して、たとえば入院などしてしまったら、その医療にかかる費用で、食費を削って節約した分なんて吹っ飛んでしまいます。

「そんなことは言われなくてもわかっている」、と言う声が聞こえてきそうですが、ではなぜもっときちんとした食材ではなく、より安い食品に飛びついてしまうのか?
節約したければよりよい食材をより少なく買えば良いのに、なぜそのような選択ができないのか?

それは脳の構造に関係しているのです。

金銭授受を中心とした貨幣経済が出現したのは、人類の歴史の中でごく最近のこと、
ヒトが作り上げた文化のひとつとして発展してきました。
ですからヒトの脳はお金を扱うことに慣れておらず、お金に絡んでは、
時としてとんでもない選択をしてしまうのも良く経験することです。

逆にヒトの脳は類人猿よりもっと前の先祖のころから、食物を扱うこと、すなわち食物を如何に手に入れるかを主要テーマとして発達してきました。
この遠いご先祖様からいただいた脳に選択を任せていると、どうしても少ないお金で多くの食物を手に入れることに集中してしまいます。

そこでは、ヒトの文化形成を担ってきた新しい脳である、前頭前野による理性的判断ができにくくなっています。

お金を使うときのかしこい選択は、脳の仕組みを予め知っておくとうまくコントロールすることが出来るのです。
つまり、類人猿からヒトになって初めて発達した、脳の前頭前野をもっと働かせれば、安さと量には惑わされないのです。

メタボヘルプ.comをご覧のみなさんには、特売の食材にはそれなりの特売する理由がある ということを頭の片隅にでも入れていただききたい。
ヒトが少ないお金で多くの食品を手に入れたいという脳の働きを理解し、日常のお買いものをしていただきたい。

それが健康や肥満の解消にもつながるのですから。