心よりお見舞いを申し上げます

東北地方太平洋沖地震およびそれに伴う津波により多くの犠牲者が出てしまいました。
お亡くなりになられた方のご冥福をお祈り致しますとともに、
ご家族やご親戚の無事の確認が一刻も早く進みますことを心より願っております。

災害時に起こり得る症状と対処方法をまとめてみましたので、ご参照ください。

<擦り傷、切り傷などの怪我について>
津波で流された場合は海水とはいえ汚染されていますので、
傷ができたら一刻も早くきれいな水で洗い流すことが重要です。
飲料水もない中できれいな水を確保すること自体難しいかも知れませんが、
初期治療が大事であるということを忘れないでください。

◆対処方法◆
一刻も早くきれいな水で洗い流すことが重要。

<低体温について>
濡れている衣服で外気が冷えますと、
体温が奪われ低体温となります。

・震えについて
はじめはがたがたと震えがきますが、
これは筋肉が小刻みに収縮して熱を産生しているためです。

・震えが止まる
震えが止まってぐったりします。
この状態になってしまいますと意識ももうろうとなり、
一挙に体温が下降します。

・体温が30度以下になる
不整脈が起こりやすくなり、ときには重症の不整脈を
起こして亡くなる方も出てきますので、要注意です。

◆対処方法◆
濡れている衣服を乾いたものに換える、火をたいて暖を取る、
温水を入れた容器を脇の下などにはさむ等の処置が必要になります。

<骨折について>
家屋の倒壊などに巻き込まれて手や足を挟まれ骨折する方も
多いですので、すみやかに骨折部を動かない処置をすることが大切です。

◆対処方法◆
何か支えになる板とか棒とかを骨折部に当て、骨折部が動かないようにします。
骨は折れていてもその部分が動かなければ痛くはないので、
骨折部が動かないようにする工夫が重要です。
そのときに板や棒を縛る材料は、タオルとかなるべく太いものを使ってください。
細いひもですと骨折部が腫れて皮膚に食い込み、後で筋肉や神経などに
障害が残ることがあります。

<出血している>

・皮膚が切れて出血している

◆対処方法◆
よく出血部より心臓に近いところをぎゅっと縛る、といった間違った
処置法を書いた家庭医学書や救急の本がありますが、それは太い動脈が
切れて吹き出すような大出血の場合に必要となる処置で、
通常の出血はしっかり抑えることで十分です。
それにタオルで腕や足の根もとを通常の力で締めたくらいでは、
動脈は止まりません。
誤解のないよう、ご注意ください。

<慢性疾患を患っている方、その周囲の方>

今回のような広範囲の災害になりますと、薬の供給が止まってしまい、
また家庭の常備薬もなくなってしまった場合に、慢性疾患を持って
いらっしゃる患者さんは不安になります。
このような場合にはパニックにならずとも大丈夫です。
多くの場合、このような異常な環境では、体もストレス反応を起こしてきて、
いつもと代謝が変わってきます。

ストレスホルモンの影響で数日間は薬が無くとも無事に過ごせます。
逆に、たとえば糖尿病の患者さんが食事もままならない状況で、
血糖値を下げるお薬を定期的に飲んだとしますと、低血糖発作を起こす
可能性が出てきます。
このような状況ではあわてずにしばらく薬を飲まずに様子を見て、
お医者さんの診察を受けてから薬を再開することを心がけてください。

災害では怪我がつきものです。
ほっておきますと、後になって大変なことになりますので、
最初の処置はできるだけ注意したいものです。
十分な資材が不足しているため大変かとは思いますが、
応急処置や対処方法についの基礎知識があれば、
現場で工夫することもできるかと思いますので、
少しでもお役にたてれば幸いです。