Sustainability(サステナビリティ)という言葉を聞かれたことはあるでしょうか。
最近ビジネスや環境問題でよく使われる言葉で、日本語では「継続性」とか「持続可能性」と訳されることが多いようです。
経済や社会が将来にわたって継続していくことを重視し、そのために今何をすべきか、という概念で、現代文明は限りある地球の資源を大量に消費する上に成り立っていて、ちょっと考え直さないと資源を食い尽くしてしまう、そんな懸念から生まれた概念でもあります。
この概念はいろいろな面にあてはめることができます。
私どもの手がけている、肥満対策、ダイエットはこの概念を基本においています。
つまり一時期じっと我慢してむりやり体重を減らそうというのは間違ったダイエット法ということです。
典型的なものが1品ダイエットです。かつて流行ったリンゴダイエット、キャベツダイエット、バナナダイエット、最近ではトマトが流行っているようですが、でもちょっと考えてみてください。
これを一生続けていくことが可能でしょうか。
体重やスタイルを気にする人の多くが短期で勝負!という考え方を取りやすいようで、こんなものでもがんばってやればそれなりに体重は減りますが、止めた途端に体重は元に戻るどころか逆に増えてしまうのが大半です。
ダイエットにももっとサステナビリティの考え方を入れましょう。
「そんなことはいわれなくてもわかっている」と怒られそうですが、ではわかっているのに、なぜみなさん飛びついてしまうのでしょうか。
美容クリニックをやっている私の友人と会ったときに1品ダイエットが話題になりました。
私がなぜそんなダイエットに皆飛びつくのだろうというと、彼女の解説はこうでした。
「これはファッションの流行と一緒で、それをやること自体を楽しんでいるだけで、誰も真剣に健康がどうだとか考えてやっているわけではない。女心を理解しなさい」と。
みなさん、どうですか?
確かにあるスタイルの服がでて、タレントさんやモデルさんが着始めると、皆つられるようにそんな服を着るようになります。
そうするとブティックの店頭に並ぶのもそんな服ばかりで、自分に似合うかどうか判断しないままに、身にまとうという状態になるわけです。
ただ一方で、過去に比べると流行の広がり方が限定的になってきたような印象もあります。
1960年代後半にミニスカートが流行ったのを懐かしく思い出すのはもうおじさん、おばさんの年代でしょうが、このときは日本全国誰しも程度の差はあれ皆ミニスカート!婦人警察官の制服までミニスカートという時代でした。
これは70年代前半にはほとんど姿を消して、今度は長いスカートが流行、誰もがみんなロングスカート、世の男性にとっては「暗黒時代」ともいわれる時代になってしまいました。
その後80年代に入ってバブル景気にわく時代にふたたびミニスカートがはやり始めましたが、今度はある程度の年代層に限っての節度ある流行だったように思います。
最近では確かに女性雑誌などを見ますと(といっても電車のつり広告だけですが)、今年はこれが流行る、と業界が騒ぐ割には一斉にそれになびくということはなく、みなさん冷静になってそれぞれよいところを取り込んで、個性に合った着こなしをする人が増えてきたようにも思います。
おそらくファッションに対する美の基準が各人の中で確立してきたということでしょうか。
ダイエットもそろそろ、みんなそろって○○ダイエットではなく、個人の体質に合ったダイエットをやりませんか。
個人の体質は皆違いますので、それがダイエットのサステナビリティにつながる第一歩です。