ガン生還者の共通した反省

ある週刊誌を見ていましたら、芸能人、有名人でガンになってしまった人たちの特集をしていました。
胃ガン、膀胱ガン、前立腺ガン、肺ガンなどさまざまです。

そしてそれらの方々に共通するのは、ガンになる前には暴飲、暴食、1日に宴席2回以上掛け持ち、タバコも1日40本、など健康的といわれる日常生活からはかけ離れたものであったということが分かります。

そしてガンが見つかり、手術で何とかガンを取り除くことができ、無事に通常の生活に戻ってからは、毎日の食事に気をつけ、酒は控え目、タバコは止めて、とようやくいわゆる健康に気をつけている人たちと同じような生活を考えるようになったということを記事は伝えています。

ガンは生活習慣病の側面があり、上記のような生活を送っていたらガンになるリスクが相当に高くなる、ということは彼らもすでに情報としてはご存知だったはずです。
この特集の中には超難関大学を卒業後有名会社の重役、あるいは報道関係の有名人なども入っており、そのような情報を皆が知らなかったとは思えません。

にもかかわらずガンになってしまうまで、そうした日常生活が修正出来なかったのはなぜでしょうか。

以前のブログにも書きましたが、人類の脳はすばらしい進化をしました。
他の動物では考えられないような遠い未来のことをも想像出来るようになりました。

しかしそこまで進化してからまだ間もないのです。進化の時間軸からいうとほんの数秒前の出来事だといっても良いでしょう。

したがって、未来のことを現在のことと同じ価値で考えることはできません。
未来の出来事は極端にその価値が割り引かれてしまうのです。

みなさん自身も先に述べた有名人の話を聞いて、明日は我が身と思う人はごく少数でしょう。
つまり5年、10年先にはガンが待っている、といわれてもそのリスクは1分後にちょっと転んで膝を擦り剥くリスクと同じ程度にしかならないのです。

未来という事象は、発展途上の脳にとって大きなストレッサー(ストレスを与えるもの)です。
この未来価値(あるいは未来リスク)を割り引いてしまうという脳の行為は、そのストレッサーから脳自身が身を守るための防御反応と考えられますから、それはそれでよいのですが、少なくとも極端に矮小化された未来像を、少しだけ現在リスクに近づけてみれば、自ずと生活習慣の修正はできてくるように思います。

実際、先に述べた芸能人、有名人の方々もガンになった途端にいわゆる健康的な生活が実行可能だったわけですから。