病気と薬の話 その1

あるテレビの健康バラエティ番組で薬の扱い方を特集していました。
全体としては日常役に立つ情報が多くよかったのですが、その中でちょっと気になる点があったので、今回はそれを取り上げたいと思います。

気になる点というのは、風邪を引いたので薬を飲んだ、しかし治らないのでまた飲んだ、というくだりです。番組として風邪は薬で治すもの、といわんばかりの構成が問題と感じています。

ほとんどの「風邪といわれる病気」はウイルスによって引き起こされます。一部のウイルスを除いてウイルスの活動を抑える薬はまだありません。
従って風邪を治す薬は現在のところ存在しないといえます。テレビコマーシャルでも多くの風邪薬が登場して、あたかもそれらを飲めば風邪が治るような印象を与えていますが、そこが問題です。

というと「それはおかしい、現実に薬を飲めば風邪が治るではないか」と思われるかも知れません。
実は風邪が治るのは体が本来持っている自然治癒力によるもので、風邪薬というのは治癒の過程で起こる、咳や発熱といった不快な症状をやわらげているに過ぎないのです。

もしかしたら咳や発熱を抑えることで治癒の過程を邪魔しているかも知れないのです。
この話は何度かこのブログコーナーで紹介してきましたが、数ある薬の中でほんとうの意味で「病気を治している」といえる薬はごくわずかです。

風邪を根本的に治療するためには、体を安静にするのが最も効果的な治療法です。風邪を引いたら無理をせず、しっかり休む。
それが周囲に風邪をばらまいて迷惑をかけることなく、もっとも良い方法なのです。

風邪くらいで仕事を休めるか!と怒られるかも知れませんが、そんな無理をしているととんでもないことが起こるかも知れませんよ。