2017年7月通信「暑さ対策とこの時期気をつけたい病気」(医師:内山明好)

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重要なポイントとしては規則的な生活ではないでしょうか。
即座に「そんなの無理!」と言う声が聞こえてきそうですが、少しがまんして、この先を読んでください。
人間の体が調和を保っていられるのは1日の中で様々なホルモンがリズムを持って変化しているからなのです。
サーカディアンリズムとか日内変動とかいいますが、これを乱す生活が体調不良、疲れなどをもたらします。

何も禅寺の修行僧のような生活をしろ、ということではなく、自分の基本となるようなリズムをまず作っていくことが大切ということです。常に決まった時間に寝て決まった時間に起きるのは理想ですが、夜勤の人などはそうはいきません。

ですからたとえば1週間の中で、これなら快適という生活リズムを作って、それに合わせていくことを心掛けてください。そんな中でたまには羽目を外すことも逆に大事になってきますが、羽目が外れっぱなしではいけないということをぜひ憶えておいてください。

「規則的」というとそんなの無理、となりますので、メリハリのある生活とでもしておきましょう。
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熱中症というのは人間が本来持っている体温調節がうまくいかなくなって起こる現象ですので、1日の中で気温の差が激しくなると、冒頭申し上げたホルモンのリズムも乱れてきて、また汗をかきにくくなっていたりすると、少しの暑さでも体温調節がうまくできなくなって熱中症になりやすくなるということです。

そういう意味では現代人は熱中症予備群と呼べるかも知れません。
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ホットフラッシュ
冷房ががんがん効いているのに汗が噴き出したり、ひとりだけ暑がったりということはありませんか?

これはホットフラッシュと呼ばれる症状ですが、これもホルモンの乱れからくる自律神経失調状態です。特に女性ホルモンが急激に下がってしまう更年期の人に多くみられる症状です。これは夏だから起こるというわけではありませんが、暑い時期だから汗をかくのが当たり前と思って放置してしまう例も多く見かけます。

私は抗加齢・エイジングケア診療のひとつとして更年期障害には力を入れているのですが、がまんしてしまう人が多いのか、なかなか来てもらえません。

40歳半ばを過ぎると多かれ少なかれ更年期症状が出てきます。先ほどのホットフラッシュ以外にもうつ状態のような精神症状が出てくる方もいらっしゃいますので、早めに治療することが大切です。早めに専門家の診断と治療を受けることでその後の肥満や脂質異常症を防ぐこともできます。

最後に一言、冒頭申し上げたメリハリのある生活と基本草食時々肉食を守って過ごしてください。夏休みなどでお休みも多くなる季節、暑さにかまけてダラダラした生活を送らないことが大切です。
また暑さに負けまいとボリュームのある食事を詰め込んでいると後は肥満が待っていますので、こちらも気をつけましょう。