糖分は体にとって大切なエネルギー源で、
余剰な糖はグリコーゲンとして肝臓に貯蔵されます。
しかし貯蔵の容量は小さく、容量を超えると過剰な糖は脂肪に変換され、
脂肪細胞に蓄積されてしまいます。
こうした代謝の過程には、
インスリンという、すい臓から分泌されるホルモンが重要な働きをしていますが、
日本人 は一般的にインスリンの分泌能が悪いため、
血液中に糖が出やすく、血糖値が上昇しやすい傾向にあります。
この血液中の余分な糖は、
たんぱく質と結びついてAGE(advanced glycation end product)という最終産物になり、
これが血管に障害をもたらし糖尿病の恐ろしい合併症につながります。
(たとえば糖尿病の検査でよく使われるヘモグロビンA1Cは、
赤血球中のヘモグロビンが糖化反応を受けて変性したものです。)
戦後の急速な食糧事情の改善によって、私たち日本人は糖分を過剰摂取するようになり、
前述したような代謝過程を経て肥満や糖尿病を招いています。
糖はエネルギー代謝の上で非常に重要である一方、
余分な糖は体にダメージを与えてしまいます。これを糖毒性と呼んでいます。
糖の吸収を抑え、体のすみずみでの糖の利用を促進してやることは、
糖尿病の治療の基本であると同時に、糖尿病の予防やダイエットにも有効です。