幸福論(その1)

みなさんは何に幸せを感じますか。
お金をたくさん儲けたとき?
美味しいものを食べたとき?

かつて日本が貧しかった時代、「もの」への欲求には大いなるものがありました。
また世の中も大量生産、大量消費を「善」としてきたように思います。
時は流れ、気がつくと部屋の中には「もの」があふれかえっています。

食の世界も同様で、『安くて量があればよい』ということで、
より安い輸入食品に頼る仕組みが出来上がってしまいました。
いつから人はこんなに大量に食べるようになってしまったのでしょうか。
町のレストランでは食べ放題が大流行、
テレビでは大食いタレントによる大食い競争がもてはやされ、食の尊厳はどこへやら。

エコの時代といわれていますが、そんな時代にふさわしい食事があります。
安全で栄養価の高いものを、適度に食べるのが体には一番です。

『安全で栄養価の高いものなんて、値段が高いじゃないか?』
確かにひとつひとつの値段は高いかもしれませんが、多く買わなければよいのです。

『それではお腹が一杯にならない?』
そうですね、お腹が一杯になるまで食べなくていいのです。
お腹が一杯にならないと幸せを感じられない?
量的な幸せを求めずに、質的な幸せを求めてください。

少量の食材を丁寧に調理して、ゆっくり味わう。
そこに流れるゆったりした時間をともに食してください。
「もの」であふれた部屋に幸せを感じますか。
もっとゆったりした空間が欲しくなるのではありませんか。

冒頭の質問、何に幸せを感じますか?

私はたぶん健康でいられることではないかと思うのです。
ところがこれは、残念なことに健康でない状態になって
初めて実感できるというのが現実です。
皆さんもぜひ本当の幸せを見失わないように、
食材のひとつひとつを尊重しながら食べてみてはいかがでしょう。

きっと幸せを味わえますよ。