沖縄本島に行く機会がありましたので、
沖縄の食材についてちょっと見てきました。
沖縄には長寿につながるといわれる食材が多くあり、
その多くは野菜です。
有名なところではゴーヤがあります。
独特のいぼいぼの表面で、特有の苦味があります。
今ではテレビ番組の影響もあり、全国で食べるようになりました。
料理としてはゴーヤチャンプルがあります。
チャンプルとは沖縄方言で混ぜ合われるという意味で、
何を入れてもよいのだそうですが、
通常は豆腐とスパムというソーセージの一種とか、
ハム、豚肉、そしてゴーヤと卵を炒めて作ります。
ゴーヤはビタミンCが豊富で、
特有の苦味は胃の働きを整える作用があります。
パパイヤもよく使われる食材で、
熟したものは立派なフルーツですが、
沖縄では熟す前の青い実を野菜として炒め物などに使います。
カルシウム、カリウム、ビタミンC、カロテンなどが豊富ですが、
パパインというタンパク分解酵素を含んでいて、
肉といっしょに料理すると肉を軟らかくする作用があります。
炒めたものはパパイヤイリチーという料理で
しゃきしゃきした食感です。
ナーベラはヘチマのことで、これも熟す前の若い果実を食用とします。
作用機序の詳細は不明ですが、
糖尿病や腎臓病によいとされています。
写真の料理はナーベランブシーといい、
ゆでたナーベラと白みそをあえたものです。
「ゴーヤチャンプルとナーベランブシー」
ハンダマはキク科の多年草でビタミンA、B2、
鉄分などを含み血液さらさらの作用があるといわれています。
切るとちょっと粘り気がでてきます。ゆでてもよいのですが、
色が黒くなるので、サラダで食した方が良さそうです。
これは沖縄伝統食のほんの一部ですが、
このような食材や料理が沖縄の長寿を支えていたのです。
「ハンダマ、デークンイリチー(大根と昆布の炒め物)、海ブドウ、トマトの盛り合わせ」
ところが太平洋戦争後のアメリカ統治により、
アメリカの食文化が入り込み、
このような伝統食が遠ざけられるようになってしまった結果、
今では沖縄の男性は肥満が進み、
長寿番付の10位にも入らない状態になってしまいました。
沖縄伝統食が長寿のすべてであるとはいいませんが、
少なくとも重要な因子である事には変わりなく、
更に研究する価値があると思います。
沖縄の食材で有名なのは野菜以外では豚肉ですが、
これはまたの機会にしたいと思います。