遺伝子検査の基本的なポイント

新年あけましておめでとうございます。
お正月は如何お過ごしになりましたか。
正月はおせちとお餅とお酒に加えてあまり動かないので、体重計には乗りたくないシーズンですよね。

さて年末に2013年の話題のひとつとして遺伝子検査の話を書きましたが、遺伝子検査も値段が下がって受けやすくなったので受けてみようという方も増えてきたのではないでしょうか。
ただ検査結果をどのように解釈し、自分の将来にどのように当てはめればよいかはたいへん難しい問題で、特にガンのリスクを上げる遺伝子などは、実際に検査をして後悔する人もいるのではないかと危惧しています。

そこで今回は遺伝子検査の基本的なポイントを書きます。

まず遺伝子検査ですが、すべての遺伝子を調べるわけではなく、ある特定された遺伝子をいくつか取り上げて、標準的な遺伝子に比較して変わっているところがあるかないかを検査します。遺伝子はDNAという物質が数珠つなぎにつながったヒモのようなもので、そのDNAは持っている塩基により4種類あります。
この4種類のDNAの並び方が重要で、並び方が標準と異なる遺伝子を変異遺伝子と言います。

ところで特定の病気と係わっていることがわかっている遺伝子があり、これらの遺伝子が変異遺伝子となっている場合、その病気が起こる確率が高まる場合があります。

前回のブログで書いたBRCA1、2という遺伝子も乳ガンや卵巣ガンと係わっていることがわかっている遺伝子で、これらが変異遺伝子となっていると、乳ガンや卵巣ガンができる確率が高くなるわけです。

ここからがポイントです。
確かに変異遺伝子を持っていることが検査で確認されたとしても必ずその病気が起こります、というわけではなく、あくまでも確率があがるだけということです。

たとえば肺ガンになる確率が高くなる遺伝子を持っていたとします。
しかし実際にガンが起こるかどうかは環境の影響もありますし、他の変異遺伝子があるかないかでも確率は変わってくるのです。

たとえばある変異遺伝子を持っていると肺ガンになる確率が持っていない人に比較して5倍高くなるとします。

このような人がタバコを吸っていれば、この確率はさらに十数倍高まるわけですが、少なくとも禁煙すれば、変異遺伝子を持っていないけれど喫煙している人よりはかなり肺ガンになる確率を下げられることになります。

つまりガン遺伝子があればそのガンを予防する環境に身を置けばガンになる確率を下げることが出来るわけです。

こういったことを理解せずに、血液検査と同じ感覚で遺伝子検査を受けてしまうと頭を抱えることになるので、検査を受けた後しっかりと説明やカウンセリングが必要になるということになります。

もしすでに遺伝子検査を受けたのに、あまり細かい説明は受けられなかったのでよくわからないとか、ちょっと心配だとかいう方がいらっしゃれば、ご連絡をいただければ有料となりますがカウンセリングを実施致します。

私のクリニックでは栄養代謝に関連した遺伝子を検査して、その変異遺伝子が持っている病気のリスクを下げる予防的ダイエットプログラムを提供しています。
ご興味のある方はご連絡ください。