病気になって病院を訪れるとき、
いろいろと耳新しい言葉に触れることと思います。そんな不安を解消するため、
聞き慣れない言葉を解説します。
第1回目はインフォームドコンセントとセカンドオピニオンについて。
インフォームドコンセントという言葉をご存知でしょうか。
一般には「説明と同意」と訳されます。
病院で手術を受けた方はわかると思いますが、
手術前に主治医から説明を受け、いくつかの選択肢を提示され、
その上で手術承諾書に署名します。これをインフォームドコンセントといいます。
医療上の処置を行う際には必要なプロセスです。
ただし「説明と同意」という日本語は必ずしも正しくはなく、
本来の姿は「納得と同意」です。きちんと説明を受けることはもちろんですが、
その説明内容に納得しなければ、
本当の意味でのインフォームドコンセントになりません。
一昔前のお医者さんは「俺に任せておけ」、
ということでほとんど内容の説明もせず、
手術や処置をやっていました。
最近ではきちんと内容を説明し、他の治療法はないか、
その治療法と手術どちらがどの程度のメリットがあるのか、
など事細かに説明し、さあどうします?どちらを選びますか?
と結論を求められます。
患者さんやそのご家族の自由意思に基づく選択であることが不可欠ですが、
患者さん側には通常それほど医学的知識があるわけではないので、
お医者さんから言われると質問はおろか、反論すらほとんど不可能でしょう。
そこで必要なのがセカンドオピニオンという制度です。
これはインフォームドコンセントで、説明をしてくれた
お医者さん以外のお医者さんに意見を聞くことを言います。
ところが、セカンドオピニオンを求めるために、
検査データの貸し出しを頼んだりすると、とたんに機嫌が悪くなり、
「どうなっても知らない」と脅かしたりするお医者さんもいるので困ったものです。
まあ、説明したお医者さんからすれば、
俺を信用できないのか、と言いたい気持ちも判らんでもありませんが、
患者さんからすれば後遺障害が残ったり、
命に関わることだってあるわけですから、簡単にお任せしますとは言えませんよね。
もっとも患者さんがセカンドオピニオンを聞きたいので、
と言った時に機嫌が悪くなるようなお医者さんはお任せしない方が良い、
というのも一般論としては正しいものです。
もし自分の意見が医学的に最良の結論だと自信があれば、
誰にその意見を披露しても良いはずですから。