抗加齢医学会より その1ー活性酸素の話

先週末抗加齢医学会が東京で開催されました。
アンチエイジングという言葉はすでによく知られていますが、
外見の若さを保つ事だと理解している人が多いようです。

ところが、いろいろな年齢における体の状態を調べてみると、
一般的に暦の上での年齢より若い状態を保っている人は
外見も若いといえるようです。

この抗加齢医学会はアンチエイジングを
科学的に研究しようという人たちの集まりで、
様々な方面からのアプローチがなされています。

その中での話題をいくつか取り上げていこうと考えています。

今回はカロリー代謝の話。
細胞内でエネルギーを作り出しているのはミトコンドリアという組織です。
このミトコンドリアという組織は太古の昔
別々の単細胞生物が共生していましたが、
いつしか片方の細胞内に居候となり、
エネルギー産生の役割を受け持つようになったと考えられています。

このミトコンドリアの機能が亢進すると活性酸素が産生されますが、
同時に、これを処理するSOD(スーパーオキサイド変換酵素)という
抗酸化酵素が増加します。
逆に、このミトコンドリアの機能が悪いと肥満になってしまいます。

ところで、運動すると酸素を余分に消費しますから、
活性酸素が体内で多く発生します。
だから体に悪いので運動しない、という言い訳をして
運動をさぼっている人がいます。

こんな人に一言。
最近の研究では活性酸素が多く発生するようになると、
このSODなどの抗酸化の機能が上がって、
効率的に抗酸化処理が行えるようになります。
活性酸素は運動以外でも発生し、
これが老化や病気につながるわけですが、
このSODの機能が上がって抗酸化処理がアップすることで
細胞の老化が防げると考えられています。

すなわち運動は若さを保つ方法でもあるわけです。
というわけですので、
みなさん、活性酸素を怖がらずに大いに運動しましょう。