最近のニューズウィーク誌にメタボ狩りという過激な記事が出ていました。
各国で肥満に対する危機意識が高まっている中、
肥満者に対するペナルティが堂々と議論されるようになったということです。
食習慣は個人の自由意志に基づくものとして、
これを規制することはタブー視されてきましたが、
肥満者が様々な病気になる確率が高くなるというデータが次々発表され、
もはや肥満はたばこと並んで、
公的健康保険資金を食い荒らす悪習慣、
という位置づけになりつつあるという記事でした。
肥満の元凶とされるファストフードのコマーシャルを
規制する法律が可決されたり、
肥満者は体重を一定以下にするまで移住が認められなかったり、
一定基準以上に肥満していると、
健康保険料率が高く設定されたりするという動きが出てきているとのことです。
日本ではまだそのようなあからさまな動きはありませんが、
今回のメタボ健診はその素地を作る上で重要な試金石といえるでしょう。
今回のプログラムは健康保健組合に対して、
『被保険者の中の肥満者割合を減らしなさい、
さもないと後期高齢者医療保険への拠出金の保険料率を上げる
可能性があります』
というのが厚生労働省からのメッセージです。
肥満者個人に対して国が介入しているわけではありませんが、
健康保健組合を通して、肥満者へその肥満対策を迫っているのです。
確かに何をどれだけ食べようが個人の自由といってしまえばその通りですが、
一方で肥満がいろいろな病気につながっていることがわかってきているわけですから、
好き勝手な生活をして、
肥満になっていざ病気になったらみんなで貯めている健康保険を使うというのは、
イソップ物語に出てくる蟻とキリギリスの話といっしょだという意見もあります。
いずれにせよ病気になって苦しむのは自分自身ですので、
自分の健康は他人任せにせず、自分で守ることを原則としたいものです。