ドバイ訪問記 -その2-

さて、本ブログは基本的には健康関連ブログなので、ドバイの人々の健康についても書きたいと思います。
こちらの人々ははっきり言って皆さん肥満体です。
中東の健康問題で最も大きなものは糖尿病で、しかも糖尿病壊疽で足の切断になるような、重症患者が多いとのこと。

そこでその原因を探ってみました。

ドバイのレストランで食べた料理(実はレバノン料理らしい)を少し紹介しましょう(食べかけの写真ですみません)。

最初はハーブをオリーブオイルで炒めた上に、フライドオニオンをのせ、レモンを絞ってかけたもの。

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次がナス、トマト、きのこの炒め煮。

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次はちょっと変わっていて、生ラム肉を細かくミンチにして味付けしたもの、上にのっている白いものは松の実です。

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次がサモサ風の肉団子の揚げ物、手前のこげ茶の団子はひき肉とたまねぎみじん切り、きのこなどを団子にして衣をつけて揚げたもの、奥のものはさくっとした表面で中は餃子の中身とほとんど同じです。

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いずれも脂質、たんぱく質、炭水化物のバランスは取れていて、野菜類も多く、内容的にはそれほど問題とは思われません。
肉類は羊と鶏肉が中心で、牛肉も少しでます(イスラム教徒は豚肉を食べません)。

ただし、食べ残こしが出るくらいにたくさん出さないと失礼に当たる、といった慣習があり、ボリュームが非常に多いので、つい食べ過ぎてしまいます。

また、甘いものが大好きで、コーヒーやお茶など砂糖をこれでもかというほど入れて飲みます。
これも砂漠の民ならではの理由があり、甘い飲み物は少量でのどの渇きを癒してくれます。今でこそ海水を淡水化することにより、真水を大量に得ることができるようになりましたが、かつて水は貴重品、少しの水分で満足できるように、甘味の強い飲み物が嗜好されたようです。

また生活習慣も肥満を促進しています。
ひとつは昼寝。
暑いからどうしても昼寝するのは仕方がないにしても、昼ごはんを食べた直後に昼寝をするものだから、昼ごはんのカロリーが一挙に脂肪蓄積に向かってしまいます。

また昼寝のために夜が遅くなって、遅い時間で大量の夕食となり、これがまた脂肪蓄積の原因となります。

また彼らはスポーツをしません。
これは50度近い暑さの中、スポーツなどやろうものならあっという間に倒れてしまいます。

また移動はすべて車。公共の交通機関は現在建設中のモノレールのみです。
公共の交通機関ですら、『夏の高温の中、駅までどうやってたどり着くのだ!』という批判も起こっているようです。

このようにすべての道は肥満に通じる、といった状況です。

しかし、肥満は今に始まったことではないらしく、昔からアラブの人たちは心筋梗塞、脳卒中などで非常に短命であったそうです。

今でこそ医学管理が良くなったため、寿命が多少は延びていますが、根本は何も変わっておらず、これらの習慣を修正するのは小学生からの肥満に関する保健教育だ、というのが一致した意見だそうです。