ちょっと前から『アンチエイジング』という言葉をよく耳にするようになりました。
皆さん、『アンチエイジング』をどのように訳するかご存じでしょうか?
答えは、『抗加齢』と訳します。
「抗」は反対する、逆らうという意味ですから、すなわち年をとらないようにするということです。
いつまでも若くいたい、というこのアンチエイジングの発想の原点は年をとることは悪であるというところにあります。
では本当に年をとることは悪いことなのでしょうか?
もちろん年をとってきていろいろな病気が出てくれば、若いころはよかった、と思うかもしれませんが、では病気にならなかったらどうでしょう?
加齢現象は人を含めてすべての高等生物に起こり、そしていつの日か個体としては終焉を迎える運命が待っています。
人は生まれたときから死に向かい、死亡率は100%、まさにこれが真実です。
すなわち死というものは遺伝子にプログラムされているのです。
残念ながらこの固体を死に向かわせる遺伝子は完全に特定されたわけではありませんし、ましてやそれをコントロールする方法など分かっていません。
それは時計の針が元に戻せないのと同じことです。
とすれば川の流れに無理やり逆らうのではなく、加齢を避けがたいものとして受け入れる中で、体全体をバランスよくエイジングさせてやろうという考え方もあるのではないでしょうか。
私はまさにこの点が重要だと考えています。すなわち『バランスエイジング』です。
生活習慣病は、日常生活のひずみが生み出す病気ですが、これも臓器の一部分が突出して老化してしまうことが根本原因です。
糖尿病であればインスリン分泌の要である膵臓、さらには血管や神経までも超老化状態となっていきます。
ですからこれを他の臓器と歩調をそろえてエイジングさせてやるようにもっていければ、体の健康寿命は延びるということです。
このバランスエイジングという考え方について、皆さまはどう思われましたでしょうか。