クラシックの調音は不思議な音の集団!

昨日は、とても感慨深い日となりました。
それは、たまたま生演奏のオーケストラを聴く機会に恵まれたからです。

クラシックは好きで普段CD等でよく聴くのですが、なかなか生の演奏会には行く機会がありません。
昨日はある大学の学生さん達がクラブ活動でやっているオーケストラの演奏を聴きましたが、クラブ活動とは思えない、けっこう本格的なものでした。

生の演奏会では、私は特に演奏が始まる前の調音(チューニング)が好きです。
こんなことをいうとなんて変わった奴だと思われるかもしれませんが、なぜかあの場面では興奮を覚えるのです。

クラシックオーケストラの調音は、始めにオーボエという木管楽器がラ(A音)の音を出します。
それに合わせて第一バイオリン(客席から見て通常指揮者の位置のすぐ左隣にいるバイオリンで、コンサートマスターの役割もつとめます)が音程を調節します。
それが終わると今度は第一バイオリンが同じ音を出して、他の楽器もその音に合わせて調音します。

最初は同じ音でそろっているのですが、A音の調音が終わると弦楽器では他の弦も合わせますので、少しずつずれた音が、水面に石を投げ込んでできた波紋のように様々な音が組み合わさりながら広がっていきます。

不協和音のようでいて、でも不快な音ではない不思議な音の集団です。
それはその後にくる演奏への期待感からか、心の中にも波紋として広がってくるのが何とも心地よいのです。

さすがにCDではそんな場面の録音はほとんどありませんので、生演奏ならではの楽しみを久しぶりに味わうことができた、癒しのひとときでした。