2015年の健康関連のトピックスというと川島なお美さんが胆管がんによりお亡くなりになったということと、ほぼ同時期に北斗晶さんが乳がんで手術されたということでしょうか。
川島さんは亡くなる2日前まで舞台に立っていたということ、胆管がんが発見された時に腹腔鏡での手術を選択したこと、再発が見つかってからは抗ガン剤治療を選択しなかったことなどが議論の的になりました。
いろいろな立場から様々な方が意見を述べていますが、ご本人がしっかりとした意思を持って病気に対峙していたことは賞賛に値すると思います。
医療は、かつては医師がほとんど全ての情報を把握し、患者さんへの説明はそこそこに、医師自身が最良と信じる治療を施すのが通常でした。
しかし近年ではこのようなパターナリズム医療は批判され、患者さんへ全ての情報を提示した上で、最終決定は患者さんの意思に任せるという患者中心医療が導入されています。
しかし如何に多くの情報を提供されようとも、医療については素人といえるような患者さんが、ご自身の運命を決定するのは並大抵のことではありません。
例えば、担当医師の提示する情報もほんとうに中立なのか、その医師がやりたい治療法に誘導するようなバイアスがかかっていないのかは患者さんにはわかりません。そうなるとセカンドオピニオンとして他の医師に意見を聞くことになりますが、ここで対立する意見が出てしまうとますます悩んでしまうことになります。
高齢化社会の中、2人に1人がガンにかかる時代、もちろん他の病気になる可能性だってあります。『早期に病気を見つけて軽いうちに治療しましょう』ということで、検診は非常に重要ですが、検診していても進行した状態になってはじめてガンが見つかることもあります。北斗さんの例がまさにこれで、毎年検診を受けていたのに、進行期になるまで見つからなかった事が話題になりました。
こうなると何をするのが最善かという話になります。
私が考える理想の医療とは、『病気にならない方法を提供する医療』です。
現在の医療は、病気になってからそれをなんとかしようというのが発想の原点です。
一般の人にとって医療との関わりは病気になった時点で始まります。
最近では健康診断が盛んに行われるようになりましたから、一般の方もその意味では健康なうちから医療に関わるようになっては来ましたが、それでも健康診断の目的は病気の発見ですから、健康診断といえども、まず病気ありきが発想の原点である事には変わりがありません。
その証拠に病気が見つからなければ良かったですね、また来年お越しくださいとなり、来年までどうすれば良いのか教えてくれるわけではありません。
ということで私どもが提案する医療は日常の生活習慣がガンを含めて多くの病気を作り出しているわけですから、まずは、病気になるリスクを最小限にする努力をすべく、日常生活を見直しましょう、ということになります。
すなわちリスク最小化策が私どもの提案する新しい医療の根幹となります。
遺伝子検査でのダイエットコーチングもその一環として提供しており、必ずしも痩せるためだけではありません。
最近ではテレビ等で健康情報を多く見ることができるようになりました。
これは大変良いことだと思います。ただ残念なのは体重を減らすことだけに多くが集中し、健康であるという前提がないがしろにされていたり、番組に出演する医師の個人的な考え方が普遍的な情報として放映されたり、あるいは極端な健康法がもてはやされたりと、専門家からすると首をかしげたくなる情報も多々あります。
そのような状況の中、マスメディアからのあふれる情報を取捨選択できる力を身につけるためには、一般の方も広く医学と栄養の正しい知識を持つことが大変重要となります。
私は病気にならないための医療のひとつの方法として、医学と栄養の基礎知識を一般の人たちにわかりやすく伝えそれらを充実させていく必要性を強く感じております。
現在、私は、ニュートリマイスター協会を通じてこのような知識を学習する機会を提供すべく準備中です。
それでは来る2016年も皆様方が健康で過ごせますよう願うと同時に、健康で過ごしたい人のための情報提供を充実させていきたいと思います。
来年もよろしくお願い申し上げます。
メタボヘルプ.com 医学博士:内山明好