現在、医学と栄養学の知識を日常の生活でいかして、健康的な生活を実践していただこうと、オンライン講座の作成をしています。
言い訳になりますが、この準備で忙しかったので、しばらくブログをお休みしてしまいました。一段落したのでまた再開したいと思います。
今年の夏はほんとうに暑い日が続いています。
こんな季節では汗を大量にかきますが、ほ乳類の中でこんな水みたいな汗を大量にかくのは人類だけです。
これはもちろん汗をかいて、その汗が蒸発することによって熱を奪う、いわゆる気化熱で体温を下げるためです。
1日あたり最大で12リットルもの汗をかきますので、水分補給をきちんとしないと、熱が体にこもって、体温が上がってしまう熱中症になってしまいますので、要注意です。
この大量の汗は人類が体毛を失ったことに関係しているといわれています。
拙著「Q脳ダイエット」では、ホモ・エレクトスというホモ属の人類が出現した頃に脳が急速に大きくなった、それは肉食の始まりでもあったというお話しを書きましたが、まさに同じ時期に体の毛が失われていったようです。
でもそれは何のためだったのでしょうか。
寒い冬に走ると最初は凍えるような寒さでも走っていくうちに暖かくなってきますね。
それは筋肉を使うことによって熱が作られたからです。
この人類の祖先もおそらくアフリカの草原で、走って獲物を追いかけるようになり、筋肉を使うので熱が体にたまりやすくなりました。
その上がった体温を効率的に下げるために、大量の汗をかき体毛を失ったのだと考えられています。
その方が生存に有利だったからです。
それでは同じくアフリカの草原にいるライオンやチーターたちも獲物を求めて走り回るのに、体毛を失っていないのはなぜなのでしょうか。
それはおそらく走るスピードと距離のちがいでしょう。
彼らは四足で、走るスピードも速く、強い牙をもっています。
従ってそれほど長く走らなくても獲物を捕らえることができます。
逆にいえば長い距離は走れないのです。
チーターは実に時速100kmくらいのスピードが出るようですが、せいぜい走れて500mだそうです。人類にそこまでのスピードは出せませんが、マラソン選手は42km以上かなりのスピードで走ることができます。
つまり長い距離を走ることによって獲物を得ていたことになります。
それはたぶん集団での狩りだったのでしょう。
また脳も神経細胞の集まりで、多くのエネルギーを使っていますので、当然熱も多く発生します。その熱も効率的に下げる必要があったわけです。
ここから先は卵かニワトリかの議論のようになりますので止めますが、脳が大きくなったことと体毛を失って汗を大量にかくようになったのには深い関係があるようです。