昨年の2020年は、新型コロナウイルス感染症がニュースで
取り上げられなかった日は1日もないという1年ではなかったでしょうか?
私も含め、皆さんの生活も激変された1年だったかとは思いますが、
残念ながら、これは2021年もまだ続いていくと思われるのです。
2019年12月に中国武漢で発生したウイルス感染症は、今までとは異なる経過を取るウイルス性肺炎として報告されました。
その後、原因となるウイルスの遺伝子解析から2003年に流行したSARS(Severe Acute Respiratory Syndrome)の原因となったコロナウイルスによく似た遺伝子配列を持っていたことからSARS-CoV2(SARS-Coronavirus2)と名付けられ、その感染症は『COVID19(Coronavirus Disease 2019)』と命名されました。
『COVID19』という名称は、ニュースやSNSでご存知の方も多いのではないでしょうか。
今回世界的な流行となったSARS-CoV2(COVID19)を、以前のSARSと比較してみましょう。
◆毒性(致死率)・・・・・SARSと比べるとそれほど高くありません。
◆対策・・・・・独特の感染形態を取ることが特徴である事がわかり、
効果的な隔離策がとりにくいということがわかってきています。
独特な感染形態と申し上げたのは、SARSは症状が出てから24~36時間までは他の人への感染が起こらなかったため対策が取りやすかったのに比べ、SARS-CoV2は症状が出る前から他の人への感染を起こす、あるいは感染しても症状が出ない人も多く存在し、そんな人でも他の人に感染させるからです。
◆感染者・・・・・80%は軽症。
ただし、特定の集団、特に高齢者、糖尿病、高血圧、心疾患、肺疾患などの持病のある人では重症化して生命の危機に陥る危険性が高くなります。
また、上記のようなリスクを持たない人でも、突然重症化する人が一定割合で存在するという今までにない特徴を備えたウイルスであるという大変やっかいな感染症であり、これが人々の心に恐怖心を生む結果となっています。
現在明らかになっているウイルスの性質によりますと、残念ながら特化した対策はなく、この感染症を押さえ込むためには、不十分ながらもマスク、手洗い、ソーシャルディスタンスを保つ といった今までの予防対策を地道に実行していくことしかないことがはっきりしてきたというところが現状です。
少し大げさですが、これは人としての存在の根幹に係わる問題でもあると思っています。
人は群れることにより文化を発展させ、その文化により進化を加速させてきました。
その意味で今回のSARS-CoV2(COVID19)による世界的なパンデミックは人の進化の根幹を揺るがす事態をもたらしましたともいえます。
もっとも歴史の中で幾多の感染症が同様の災害をもたらしましたが、いずれもその時代で取り得る策で終息させることができていることを、しっかり意識してもらいたく思います。
今回もパンデミックの発生から1年足らずでワクチンができ、臨床研究段階と同様の効果が得られればSARS-CoV2(COVID19)による重症化を抑制できるところまできています。
もちろんワクチンに対する安全性への懸念から慎重論も出ているのは承知しておりますが、現在の状況でワクチンに安全性を求め過ぎて、先に進まないというのもいかがなものかと思いませんか?
コロナパンデミックは簡単には終息しないことを考えると、2021年は今までの生活を早急に元に戻すことに執着するのではなく、与えられた条件で持続可能な未来の生活を作り上げることを目指して行ければよいのではないかと思いますし、そのような皆さんの生活のサポートができるよう、私自身も引き続き努めてまいります。
本年もどうぞ、よろしくお願いいたします。